2012/07/31

レポート: データジャーナリズムアイディアソン(JCEJ×GLOCOM データジャーナリズム実践 データから社会問題を発見する)



日時:7月28日(土)
会場: 国際大学GLOCOMホール

ジャーナリスト、エンジニア、アナリストなど約40名が参加し、政府のオープンデータに関する取り組みや海外のデータジャーナリズムの現状について理解を深め、実際にグループごとに報道プランの作成を行いました。


国際大学GLOCOM/Open Knowledge Foundation Japan 庄司
発表資料: https://docs.google.com/open?id=0B28NOIcafbHtczJhZEFZUWMwbDQ


JCEJ赤倉さん
発表資料: http://jcej.info/files/ws20120728/akakura_datajournalism.pdf
参考資料: データジャーナリズム実践 参考サイト


各チームのテーマやプレゼンテーションは次のとおりです。

タイトル: 「データから見るクラブとクラブ風営法問題」

規制が強まっている「クラブ」は、その場所に犯罪を閉じ込める効果があり、実は治安維持に役立っているのではないか、という仮説を検証するためのデータ収集・分析をしました。


タイトル: 「原発補助金漬けの自治体は脱原発についていけるのか?」
原子力発電所が立地している地方自治体の財政状況を、財政力指数のデータなどに基づいて分析。当該自治体が飛び抜けて財政状況が良いことを具体的に明らかにしました。


タイトル: 「浪速の無灯火自転車をなくそう」
自転車のマナーが悪いといわれる大阪の交通事故発生件数等を他の大都市と比較。その結果、福岡の方が多く、大阪はそれほど多くないことが明らかになりました。

Facebookグループ:
http://www.facebook.com/groups/435559146489168/




タイトル: 「東京都幸せ向上プロジェクト」

ひとそれぞれの価値観に基づいて住みやすい場所を選べるよう、東京23区のさまざまなデータを集め、評価できるようにしました。


タイトル: 「電動アシスト自転車のデータ公開を!」
電動アシスト付き自転車が増加していることに注目し、一般の自転車に比べ交通事故の発生件数が多いとみられることなどを示す調査を発見。さらに分析を深めるために必要なデータ等を示しました。


タイトル: 「復興予算は必要なところで 使われているか~復興予算の流れを見せる~」
政府が東日本大震災の復興予算を適切に使っているかどうかを可視化するサービスの構想。予算が必ずしも被災地域だけでは使われていないこと、使途に疑問が付くものもあることなどを示しました。

プレゼンテーション資料: 
http://jsurp2.sakura.ne.jp/fukkouyosan/fukkou_yosan.pptx


タイトル: 「知られざる保育所格差-貧困と子育て環境の負のスパイラル-」
地域による保育園設置数の違いと所得格差の関連があるかどうかという問題意識から、横浜市のデータの分析に着手しました。


タイトル: 「いじめをなくそう!Hack Against Ijime」
文科省による「いじめ」の定義が10年ごとに変化していること、認知件数も地域によって大き異なることなどを明らかにし、複数のデータを見なければいじめの実態がわからないということを示しました。


参考:
Facebookイベントページ:
https://www.facebook.com/events/299402993486267/

JCEJによるレポート:
http://d.hatena.ne.jp/jcej/20120802/1343919405

Twitter(Togatter):
「JCEJ×GLOCOM データジャーナリズム実践 データから社会問題を発見する」の簡易まとめ

TELEPAC(高度情報通信都市・計画シンクタンク会議)によるレポート:
Facebookページ内


2012/07/13

会津若松市がCSVデータの公開を開始


福島県会津若松市が、GoogleMapsを使って提供している「公共施設マップ」に掲載されている公共施設の所在データと、「住基人口」の「毎月大字別人口について、CSV形式のデータを公開しました。

会津若松市 公共施設マップ
http://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/index_php/city_map/show_map.php

データ公開(CSVファイル)
⇒公共施設全マップ(CSVファイル 84キロバイト)

會津データ蔵(統計情報):住基人口>毎月大字別人口
http://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/ja/joho/n_b/ooaza/index.htm


2012/07/10

JCEJ×GLOCOM データジャーナリズム実践 データから社会問題を発見する(アイディアソン)


6月に開催したオープンデータ活用アイディアソン/ハッカソンの続編として、データジャーナリズムに関するアイディアソンを開催します。

今回はJCEJ(日本ジャーナリスト教育センター)との共催です。JCEJは、いち早くデータジャーナリズムをテーマに取り上げ、講義や実践的なワークショップを行ってきた団体です。

今回は国や自治体のホームページなどに公開されているデータを分析、編集することで、社会の問題を明らかにするデータジャーナリズムの実践を行います。データジャーナリズムの取り組みは、イギリスのガーディアンによる「データブログ」による貧困と暴動の関係を明らかにしたり、FBIによるテロリストの調査方法を明らかにしたプロジェクトなどがあります。

[日時]7月28日(土)

[会場]国際大学GLOCOM (東京都港区六本木6-15-21)

[スケジュール(予定)]
オープンデータについて 
庄司昌彦/国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)主任研究員 20分

データジャーナリズムの最先端(データジャーナリズムアワードの事例から)
赤倉優蔵/JCEJ運営委員 20分

質疑の後はチームに分かれて、どのよな社会問題にテーマを設定し、公開されているデータを分析するかを議論します。アウトプットは、記者の参加者は記事のタイトルと概要、アナリストやエンジニアらは図表やモックによる可視化を目標とします。


[参加対象者]
記者、編集者、アナリスト、エンジニア

[注意]
初めての試みですので、スケジュール通りに行かない可能性もあります。チーム分けなどは、参加者の皆さんの関心やスキルを見ながら調整しますので希望の通りならないこともあります。

[定員]
約30名

[参加費]
無料

[参加申込]
下記のFacebookページからお申込みください。
http://www.facebook.com/events/299402993486267/

Facebookからの申込みができない方は、庄司昌彦(shoji[atmark]glocom.ac.jp)まで、お名前・ご所属を明記の上メールでお申込みください。


<参考>
JCEJのワークショップ「データジャーナリズム実践:Googleを使って社会を読み解く」
http://d.hatena.ne.jp/jcej/20120417/1334633216

GLOCOMオープンデータ活用ハッカソン
http://open-gov.blogspot.jp/2012/07/glocom.html

Google.orgインフルトレンド
http://www.google.org/flutrends/intl/ja/
http://www.google.org/flutrends/intl/ja/about/how.html

〈データジャーナリズムの世界〉暴動の背景、あぶり出す(朝日新聞)
http://digital.asahi.com/articles/TKY201205170378.html


ガーディアン「データブログ」
http://www.guardian.co.uk/news/datablog/2012/apr/26/freedom-of-information-data

「データブログ」:英暴動、貧困は原因か?
http://www.guardian.co.uk/news/datablog/2011/aug/16/riots-poverty-map-suspects

「データブログ」:ウィキリークス特集ページ
http://www.guardian.co.uk/news/datablog+media/wikileaks

ガーディアン・国会議員の経費不正請求問題の特設サイト
http://mps-expenses.guardian.co.uk/

データジャーナリズムアワードでみる世界のデータジャーナリズム最新動向(pressroom#81)
http://pressroom81.blogspot.jp/2012/06/blog-post.html

2012/07/03

オープンデータのライセンス:ODbLの背景と内容 - 勉強会開催のお知らせ

オープンデータの活用を進めるうえで重要となるライセンスについての勉強会を開催します。

開催概要

OpenStreetMapが、利用ライセンスをクリエイティブ・コモンズ(CC BY-SA 2.0)からオープンなデータのライセンスのひとつであるオープンデータライセンス(ODbL 1.0)へと切り替えます。

ODbLはイギリスに拠点を持つOpen Knowledge Foundation のプロジェクトのひとつ、Open Data Commons が策定したライセンスです。CC BY-SAと似た考え方とはいえ「データベース」に関して初めて明確に言及したライセンスのひとつであるため、従来の著作物を主たる対象としたライセンスに無い概念や用語を含んでいます。このようなデータを意識したオープン・ライセンスの役割は、欧州でオープンデータが進展するにつれて高まっていることが伺えます。

Open Data Commons のライセンスとの互換性確保の取り組みがある一方、EU全体ではライセンスの多様化が懸念材料にもなっています。これまでに分かっている情報を元に今回、日本語での情報が少ないこのODbLについての内容・背景両面からの勉強会を開催しますので、ご関心がおありの方のご参加をお待ちしています。

質問事項や疑問点などがありましたら、事前に info(at)osmf.jp までお寄せください。
当日、可能な限りお答えできるよう、調査致します。

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日時: 7/29(日)14:00~18:00
場所: 国際大学GLOCOM(東京都港区六本木6-15-21 )
参加費: 無料

イベントのハッシュタグ: #odblj
対象者: OSMアカウントを持ち、データを投稿している方(マッパー)
個人、法人を問わずOSMを利用している方、あるいは利用を検討されている方
オープンデータのライセンスに興味のある方
募集人員: 40名

参加方法: ATND よりお申し込みください。

(当日UST配信を検討中です。決まりましたらこの場でお知らせ致します。)

内容:
13:30 受付開始
14:00 ご挨拶(OSMFJ代表理事 三浦広志)
14:10 講演「オープン・ライセンスの互換性とイノベーション」
(国際大学GLOCOM主任研究員/クリエイティブ・コモンズ・ジャパン 常務理事 渡辺智暁)
15:00 ODbLの概要、キーワード説明など(OSMFJ事務局)
16:30 事前に受け付けた疑問点などへの回答(OSMFJ事務局)
17:00 会場内での質疑応答

参考情報:
ODbL1.0要約の対訳(非公式ドラフト)
ODbL1.0本文の対訳(非公式ドラフト)
DbCL1.0本文の対訳(非公式ドラフト)
投稿規約(非公式ドラフト)
コミュニティガイドライン(コミュニティ向けの主要な用語の解釈案)
法的な構造
ODbL FAQ・ODbL FAQ(OSM日本コミュニティ版)

懇親会: 勉強会終了後に会場で1,000円会費での飲み物と軽食程度の懇親会を予定しておりますのでぜひ引き続きご参加ください。 

連絡先: 本件に関するご連絡やお問合せは info(at)osmf.jp まで、お寄せください。 

この勉強会は「国際大学GLOCOM オープンガバメント研究会」と「オープンストリートマップ・ファウンデーション・ジャパン」による共催です。
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2012/07/02

レポート:GLOCOMオープンデータ活用ハッカソン



日時:6月30日(土)-7月1日(日)
会場: 国際大学GLOCOMホール

エンジニア、コンサルタント、研究者、行政職員、地方議員など約30名が参加し、7チームにわかれて2日がかりで公共データを活用したサービス開発を行いました。その成果をご紹介します。
(※いずれも開発は終了していません)

1.税金はどこへ行った(最優秀プロジェクト)

URL: http://spending.jp/

スライド: 平成24年度横浜市予算データのLinked Open Data (LOD)化
http://www.slideshare.net/HiroyukiSato1/lod-for-yokohama-city-budget-plan
プレゼンテーション動画: http://www.ustream.tv/recorded/23687374


横浜市の実際の予算データに基づき、あなたの年収のうちいくらが市税で、それらが何の目的に使われているのか1日辺りの金額で可視化しています。英国のOpen Knowledge Foundationが開発したWhere Does My Money Go? の日本語版。データは横浜市の平成24年度一般会計予算を使用しました。

2.復興メーター

URL: http://orezeni.github.com/fukkou-meter/
スライド: https://docs.google.com/file/d/0B28NOIcafbHtODVvRTQ3M0swZWc/edit#
プレゼンテーション動画: http://www.ustream.tv/recorded/23687515

東日本大震災からの復興をの可視化に取組みました。まずは被災地のひとや復興事業に従事するひと、被災地の将来ビジョンを描くひとが元気になれる明るいデータを可視化しようということで宮城県市区町村の毎月と(2011年3月からの)累積の出生数を可視化しました。


3.CKAN日本語化プロジェクト

URL: http://data.linkedopendata.jp/
※日本語文書 http://wiki.ckan.org/Main_Page/ja
スライド: http://www.slideshare.net/u1_fukui/ckan-13505987
プレゼンテーション動画: http://www.ustream.tv/recorded/23686804

英国data.gov.ukなど、各国のオープンデータポータルで使われているデータ管理システム「CKAN」を日本語化しました。このソフトウェアも英国Open Knowledge Foundationが開発しました。フリー/オープンソース・ソフトウェアであるため、この日本語化により、政府・地方自治体等での活用が期待されます。

4.みどりマップ

URL: http://tidalwave.xsrv.jp/
※はるのみち公園近辺以外のリンクは整備中
住民プロット用デモサイト http://tidalwave.xsrv.jp/index_add.html
※ダブルクリックで樹木を追加できます。
kml版 http://jsurp2.sakura.ne.jp/midorimap/index.html
プレゼンテーション動画: http://www.ustream.tv/recorded/23687004

千葉県千葉市おゆみ野地域の街路や公園の木々を地図上に可視化しました。

5.みんなの地図帳(子供につくれる社会科マップ)

スライド: https://docs.google.com/open?id=0B28NOIcafbHtZ3BKbU5QWWMxcUU
プレゼンテーション動画: http://www.ustream.tv/recorded/23687204

子供に作れる社会科マップを作成し、神奈川県の実際のデータを用いて分析・プレゼンテーションしました。

6.LocalWiki日本語化プロジェクト

URL: http://www11113uf.sakura.ne.jp
http://localwiki.org/
プレゼンテーション動画: http://www.ustream.tv/recorded/23687617

地域版Wikiを簡単に立ち上げられるソフトウェアを日本語化しました。「ご自由にお試しください。Ubuntu packageにも日本語を含めてもらいましたので自分で設置して頂くことも可能です」


7.メンターバンク

プレゼンテーション動画: http://www.ustream.tv/recorded/23687809

女性無業者支援というテーマについて、横浜市におけるヒアリングなど、課題の整理とデータの探索を行いました。

ツイート

共通のハッシュタグは#glocomで行いました。下記のTogetterにまとめられています。
http://togetter.com/li/330409

Facebookグループ

参加者のFacebookグループ「GLOCOMオープンデータアイディアソン/ハッカソン」グループがあります。今後の予定などもお知らせしていきますのでよろしければご参加ください。
http://www.facebook.com/groups/397441130292931/

お礼

今回の会場提供、運営は国際大学GLOCOMがホストしました。2日間という長時間にわたりご参加いただいた皆さま、USTREAMやTwitter等から遠隔でご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。多大なるご協力をいただいた関治之さん、藤村良弘さん、川島宏一さん、野原志郎さん、ほかの皆さま、本当にありがとうございました!